2021年8月31 Manila Bulletinの記事より

BIR(フィリピン国税庁)は、フィリピン国内で活動しているブロガーやインフルエンサーが受取るチップや報酬に対してフィリピンの源泉徴収税の対象とすることを表明しました。 チップや報酬を支払っている機関や組織は報酬額の10%源泉徴収する義務があるとしました。
それに伴いBIR(国税庁)は協力者や情報提供者に対してブロガーやインフルエンサーの情報の確認と提供を呼び掛けています。そうして集まった情報を分析してフィリピン国内で高額な報酬を得ている個人を特定したターゲットリストの作成を始めています。

そして情報提供者に対しては徴税額の10%(最大100万ペソ)の報酬を支払うことを表明しています。

また、入国管理局もフィリピン国内で活動しているブロガーやインフルエンサーに対して監視を強化してきています。外国人は自身の持つ査証の種類によっては、You TubeやFacebook、Instagramなどのソーシャルメディアを通じた国内向け物品販売など外国人の活動が制限されているフィリピン国内での領域で収入を得ることなどが堂々と行われていることについて、フィリピンの入管法に抵触する可能性と国外退去処分もあり得ると警告しています。(Manila Bulletin 2021/7/12)

 

一方で情報提供者は、そういった国内で活動を制限されている分野で報酬を得ている外国人ブロガーやインフルエンサーに対して情報提供者自身が仕入れた情報や政府機関のターゲットリストに関する情報を政府機関に提供するのではなく、ブロガー自身に販売するBlack Mailer(情報の密売人)に転向する者も現れ始めているため、政府の持つ情報は最新のものでも完全なものでもない可能性があり、実効性や有効性に疑問が残ります。

ただ、ブロガーやインフルエンサーの数が増え、彼らの動きが活発になってくると、今後は追徴課税だけでなく、入管による国外退去処分やブラックリスト入りも本格化されてくることが予想されています。

日本人のユーチューバーやブロガーなども今後、監視の対象になるかもしれません。 追徴課税はともかく入管法に抵触して国外退去処分を受けないようにフィリピンでビジネスを行う際には個人であっても外国人であれば外資規制、とりわけ小売自由化法(Retail Trade Liberalization Act of 2000)を意識して活動されたほうが無難といえます。 また、現在、フィリピンの経済を回復させることを目的として外資規制の緩和が国会内で議論されています。 これにより外国人による特定の事業への参入が認められたり、資本金要件が緩和されて少ない元手での事業が可能になるかもしれません。 また参入が容易になると同時に上述のような税金への対処や自身の査証や就労可否や就労可否などに留意が必要です。 今後の政府による法改正や情報のアップデートを随時行ったほうがよさそうですね。

私も東南アジア在住日本人ユーチューバーの動画やブログなど仕事の合間に楽しく拝見させていただいており楽しませていただいております。

彼らが今後も変わらずのびのびと安心してフィリピンや東南アジア諸国で情報発信や活動できるように祈るばかりです。