2023年3月21日付のInquirer Netの記事によると、以下に示す4つの実態のない幽霊企業が発行したとされる架空の領収書により不正に税金を逃れようとした会社がフィリピン国中にあるとされています。その脱税総額は255億ペソ相当だと言われており、それらの脱税により現在、税務訴訟が提訴されていますが、この不正スキームに関与した会社の監査を担当した会計士に対しても懲役刑と会計士免許の取り消しを発表しました。

近年、BIRの納税者及び会計士への対応は攻撃的で強引さの度合いを増してきています。

BIR長官のRomeo Lumagui Jrによると、現在、BIRはこれら4つの企業の領収書を使って不正に利益を得ようとした企業のリストを保持しているそうです。これらの企業はBIRの監査を受けるだけではなく、刑事訴追を行った上で最大10年の懲役刑の対象となりえることを警告しています。

BIRによる強制捜査が、2022年12月に執行され、領収書の不正発行が確認された、 以下の4 つの企業

Buildforce Trading Inc、
Crazykitchen Foodtrade Corp.、
Decarich Supertrade Inc.
Redington Corporation

 

から数千の架空の領収書を押収したとのことです。すなわち数百から数千の不正脱税の疑いのある会社のリストをBIRは保有していることを意味しています。関係者の話ではその中にはいわゆる外資系企業と呼ばれる、外国の資本により設立された会社も多く含まれており、日系企業もその中に含まれている可能性も否定できません。

 

すなわち、今後、この事件に関連した税務調査が行われた場合、当該会社は、不正により追徴課税を支払うだけでなく、金額や常習性によっては刑事告発されることも否定できません。その中に日系企業が含まれることもありえるのではと考えています。

 

上記の会社との取引が今まであった会社は、取引の内容を取りまとめて早急に税務署にご相談されるのが良いかと思います。

 

もし、会計士のサポートが必要な方は、お気軽に弊社までご相談ください。