M&Aについて興味があるけどどうやっていいのかが分からない、良い企業を見つけることができない、どういうメリット・デメリットがあるのかわからないなど、実際にM&Aを行うのはかなりハードルが高いのかもしれません。

M&Aというのは他の企業や事業に資本参加して運営していくということですので、買収や合併時には技術的な側面が強調されますが、M&Aを行う目的やM&Aを自身にとっての課題を解決できそうかどうかを判断できればM&Aは決して難しいものではありません。

例え中小企業であっても、買収先の企業が自身の会社やビジネスに有効な場合、例えば新技術の獲得、販路や事業領域の拡大、費用節減などのスケールメリットなどを得られる企業を買収するケースが頻繁に発生します。そしてM&Aを行う企業と行わない企業との間には収益性や企業価値に大きな差が生まれることが知られています。M&Aを行わない場合、新技術や傍らしい販路の拡大には途方もない費用と時間を必要とします。しかし、M&Aを積極的に行った場合、会社が求めているシナジー効果を時間をかけずに得ることも可能になります。自社開発でなくM&Aにより得られた時間的効果もまたシナジー効果の一つといえます。

以下にM&Aによって得られるメリットとM&Aによって生じるデメリットをご紹介いたします。

メリット

  1. 規模の経済(スケールメリット)
  2. 新規事業分野への参入
  3. 新技術の獲得
  4. 後継者問題の解決
  5. 販路の拡大
  6. 調達コストの節減
  7. 不採算事業の切り離しと売却益
  8. 創業者利益

 

M&Aにより業績を回復させることが出来る

M&Aがうまくいけば本業の立て直しも可能となるだけでなく、事業の多角化などにより収益事業を複数保有することが出来ます。
例えば、JT(日本たばこ産業)は1996年の絶頂期からその後の20年間で売り上げが半分にまで激減しました。業績回復のためには費用の節減だけでは限度があるため本業での売上を伸ばすしかありません。しかし健康志向や喫煙人口の減少などで国内需要は低迷していたため、新たな販路を海外に求める必要がありました。

そこで米国RJRナビスコのたばこ事業部門や英国ギャラハーを買収し新たな市場の開拓に乗り出しています。海外売上を含めた本業での売り上げの回復とともに食品などの新規場への参入を果たしました。

これはそれぞれの会社の持つ強みを活かすと同時に、弱みを補い合うことにより高い相乗効果(シナジー)を得られた結果としての業績回復を果たすことが出来た一つの例です。

M&Aの最大効果を発揮するためにはお互いの企業の強みと弱みを知ることが最も重要となることが考えられると同時に非効率な支出を抑制し、お互いの持つ高い技術やノウハウを統合することにより高付加価値の商品やサービスを生み出すことも可能になります。

一方でM&Aが上手くいかないケースもあります。

 

デメリット

  1. スケールメリットや販路、技術獲得などのシナジー効果を得られない
  2. 企業価値の判断を誤って費用対効果が十分でない
  3. 人材や技術流出のリスク
  4. 取引先や従業員など利害関係者の反発

 

M&A後のシナジーが得られない

例えM&Aを行ったとしても、期待していた効果を得られないことがあります。原因は様々ですが、一番大きな要因の一つは買収前のリサーチ不足が挙げられます。販売先を多く持っていたとしても、支払が滞っている得意先が多かったり、技術移転が上手くいかないケースもあります。また遠くの生産拠点を買収してしまったために輸送コストの増大やコミュニケーションエラーの発生でコスト高・品質低下を招く結果もあります。 守秘義務により従業員や得意先、少数株主には買収を直前まで伝えないケースもあり、買収時には予想外の強い反発を受けて、取引の解除や従業員の大量退職が発生することがあり、M&A後は思わぬ問題に遭遇します。

 

M&Aが最大効果を発揮するために

M&Aが最大効果を発揮するためには、自社と買収先の企業風土やトップの考え方や気風なども含めてあらゆる面からのリサーチが最も重要になります。時には財務諸表には現れないメリット・デメリットに出くわすこともあります。それらを含めてM&A後にはマネジメントできるかどうかや思わぬ反発や不服従を招くことがないような会社を選択することが重要となり、単に財務諸表上の経営状態や業績だけを見て判断するのはリスクが伴います。 買収先の企業の持つ人材、顧客、技術などバランスシートに現れない部分も評価に入れて総合的に判断を下すことが失敗を防ぐ一番の近道と言えるでしょう。

大手企業や多国籍企業はM&Aの経験が豊富なこともあり、良い企業と悪い企業の見分け方、タイミング、適正価格、収益力の源泉となるコアコンピタンスへのアプローチが上手いことがあります。一方で中小企業やM&Aの経験の少ない企業は失敗をする可能性が高いといえます。特に海外進出を目指す中小企業にとって買収を目指す会社の良し悪しの判断がつきにくいのも事実です。そういった企業がM&Aを行うと想定外のリスクに直面することがあります。

そこで、大きな助けになるのがM&Aの専門家によるアドバイスを受けながら、シナジー効果の高い優良企業を多数紹介してもらえるコンサルタントに相談しながら進めていくことがベストだと言えるでしょう。

 

以下のようなご検討をされている方に弊社のM&A相談がお薦めしています。

  1. 短期間に効果の出る海外進出を目指したい
  2. 優良顧客を多く持つ経営基盤の安定した企業を買収したい
  3. 気になる企業の企業価値を評価したい
  4. 大手企業のグループ企業と提携したい
  5. 新規設立とM&Aのどちらが良いか迷っている

 

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