税務調査対応

弊社では、企業の税務調査対応をスポット案件としても対応しております。今までフィリピン人会計士やコンサルティングファームに税金のことや会計を依頼していたが、税務調査には専門知識を持った会計士のサポートが必要になります。もし、税務調査で不安なことがある場合は、経験豊富な公認会計士が御社の税務調査対応を支援いたします。調査対応に経験豊富な会計士が対応することで、課税額を大幅に低減することができる可能性があります。

税務調査の対応の流れ

 

  1. 調査年度の書類や帳票確認と事業内容の確認
  2. 問題個所と調査項目の洗い出し
  3. 追徴課税額の概算金額算定
  4. 初期段階での調査項目の対応と質疑応答シミュレーション
  5. 調査臨場対応
  6. 初期段階での調査通知に対する回答や対応の検討
  7. BIRと問題点と認識相違箇所の確認およびヒアリング
  8. 答弁書の作成
  9. 最終通知発効後の対応の検討
  10. 再確認及び再調査依頼
  11. 税務訴訟(再確認・再調査結果に不服がある場合)

 

税務調査の概要

フィリピンのBIRは調査対象となる企業に対して調査通知書(LA : Letter of Authority)を送付します。調査通知書を確認することにより調査対象年度や調査の概要を知ることができます。一般的に調査対象となるのは申告期限から3年間ですが、不正行為が認識された場合には調査対象期間が10年に延長されます。

実際の税務調査は段階的に行われることが一般的です。初期段階の調査として、主に調査したい項目を優先的に調査したり、期首から3か月~4カ月までの調査内容を基に最初の予備的調査通知書(Preliminary Assessment Notice:PAN)が発行されます。予備的調査通知書は追徴課税項目やその理由、課税額などが示されていますので、それらに対する反証を行うことができます。反証はPANが発行されてから15日以内に提出することが求められます(期限内に反証を行わない場合は反証の権利を放棄したとみなされます)。反証を記載した反論書の提出後15日以内にBIRは最終通知書(Final Assessment Notice)を発行し最終的な追加の税額が確定します。

不服申立

納税者はBIRの最終通知の内容に不満やBIRとは異なる見解や主張がある場合、BIRに対して不服申し立てを行うことができます。
申し立ての手続きは2種類あります。一つは今まで提出した税務申告書類や帳票、法定調書やレシートなどをベースとして再確認依頼書(Reconsideration)の提出をすることによりBIRの見解とは異なる自身の主張を申し立てることが可能となる。もう一つは新たな反証を示して、それを基にBIRの調査結果に対する反論を行うための再調査依頼書(Reinvestigation)を提出することとなります。再調査依頼に関しては反証の証拠となる追加の書類を60日以内にBIRに提出する必要があります。
再確認を依頼する場合や再調査申し立てる場合には、納税者の主張がBIRによって再検証されることとなりますが、それに対する結果通知がBIRより発行されることにより一連の税務調査手続きの終了となります。

税務裁判所への提訴

上記の手続きにおいても、納税者とBIRが合意に至らなかった場合、納税者は税務裁判所に最終通知の内容について提訴することができます。

税務調査の流れ

調査通知書(Letter of Authority)の送付
通知書の内容を確認します。(会社名、所在地、調査官の氏名、税務署名、調査対象年度等)
調査対象書類や申告書を提出
実地調査に前後して調査官は税務関連資料の提出を求めてきます。(調査対象年度の月次申告書、四半期申告書、年次申告書、レシートやインボイス、帳簿、計算書類や税務判断に関連する取締役会議事録等、その他の税務関連資料)
実地調査
税務署の担当官が会社での実地調査を行います。そこでは事前に確認した資料などを基に、調査対象企業に税務や会計上の見積もりや判断理由のヒアリング、実地調査等を行います。会計士が立ち会うこともあります。
予備的調査報告書
BIRより最初の予備的調査通知書(Preliminary Assessment Notice)が発行されます。調査の完了した部分についての調査結果をまとめた報告書が送付されます。追加的な課税項目や税額、課税理由等が示されます。
反論書の提出
納税者は調査通知に対する反論が認められます。反論したい箇所についての反証とその理由等を記載した反論書を最初の通知の日付から15日以内に提出することができます。また反論しないという選択をとることも可能です。
最終通知書(Final Assessment Notice)の発行
最初の調査通知に対する反論がある場合は、それらを踏まえて残りの調査項目についての調査結果も含めてBIRから最終通知(Final Assessment Notice)が発行されます。
納税
調査結果に異論がない場合は、合意したものとみなされ追加の税額の納税期日が示されます。期日内に納税することで一連の税務調査手続きが終了します。
不服申し立て
調査内容に意義や不服がある場合は、不服申し立てを行うことができます。申し立ての方法は2種類あります。

一つ目は再確認依頼書(Reconsideration)の提出です。課税処分に異議のある箇所について今まで提出した税務申告書類や帳票、法定調書やレシートなどを再確認してもらうように再確認依頼書(Reconsideration)の提出をすることによりBIRとは異なる自身の主張や見解を申し立てることが可能となります。

もう一つは新たな反証を提示して、それを基にBIRの調査結果に対する異議申し立てを行うための再調査依頼書(Reinvestigation)を提出することが認められています。これは新たな反証のための新たな資料等を提示して、それを基にBIRの調査結果に対する反論を行うことができます。再調査依頼に関しては反証の証拠となる追加の書類を60日以内にBIRに提出する必要があります。

再確認を依頼する場合或いは再調査申し立てる場合には、納税者の主張がBIRによって再検証されることとなりますが、それに対する結果通知がBIRより発行されることによりBIRの税務調査手続きが終了となります。

税務裁判所への提訴
一連の税務調査の流れの中で、調査結果に納得がいかない場合は、税務裁判所に対して提訴することができます。提訴された内容は、BIRとは独立した税務裁判所の判事が最終的な判断を下すこととなるため、BIRとは異なる判断が下されることもあります。ただし、税務裁判は結審までには2~3年を要することがあります。
■必読情報
税務調査官にはそれぞれ徴税ノルマが課せられており、ノルマに達しなかった職員には停職などの厳しい処分を科されることもあるため、フィリピンの徴税職員は日本の調査官以上に厳しい対応で臨んでくることがあります。また調査結果も税制に対する厳格な考え方に基づき課税範囲を拡大的に解釈することにより日本の調査より厳格な判断が示されるケースも報告されています。
(例:感熱紙に印字されたレシートの文字が消えかかっているためレシート自体が無効とされるケース、サプライヤーから発行されたレシートに一部記載漏れがあったために損金算入が否認されたケース、源泉徴収額に誤りがあったために再計算した源泉額の満額と罰則金を併せて課税されたケース、海外売上取引が適切な方法で行われなかったために海外売上も課税売上とみなしてVATが課税されたケースなど)。調査前に慌てて行う対策は実効性や有効性に乏しいものが少なくないため、最大の対策は日々の税務事務をきちんとこなしておくことが最も重要となります。また調査が開始された場合、BIRの判断について合理性があるかどうかや過去の納税事務の誤りや錯誤に基づく追加課税かどうかなどの課税理由についてもきちんと経営者が理解しておくことが重要です。わからない場合は会計事務所に意見を求めましょう。もし過去の納税事務の誤りを指摘された場合は、速やかに改善し、次回の調査に備えることが重要です。日ごろからアドミンスタッフや会計事務所との意思疎通を図って税金や経理内容の理解を高めておくことをお勧めします。税務調査のたびに早期解決のためのBIRとの個別交渉や安易な妥協、時にはアンダーマネーを使うことに抵抗感のない企業もありますが、常にそのような手法が通用するとは限りません。会社として突然の課税リスクを低減するために日ごろから正しい会計と納税を心がけましょう。調査で指摘を受けた箇所についてはきちんとその後の改善につなげれば税務調査を恐れる必要はなくなります。他社の税務調査対応の体験談やネットなどの情報などに惑わされることなく、正しい知識で本来あるべき経理を遂行し、正確な納税業務を行うことを心がければ税務調査で交渉や安易な妥協をする必要がなくなるだけでなく、会社の経理の透明性や財務諸表に対する信頼性の向上にもつながります。すなわちフィリピンで事業を継続するためには会計や税務上においてもコンプライアンスを意識することが重要となります。適正な会計と法令順守を心がけましょう。