アジアでの法人設立は、シンガポールやマレーシアなどが上位を占めていました。そんな中、今後の成長を見据え、選択肢の一つとしてフィリピンが注目されています。海外進出をご検討中の方へ向けて、フィリピンでの経済特区制度や労働力について解説していきます。
経済特区・優遇措置
PEZAなどの経済特区とよばれる外国投資優遇を受けられるエリアはフィリピン国内で200ヶ所以上存在します。PEZA企業と認定された場合、業務開始後4年~8年間の法人税の免除やその後の特別税制の適用、関税等の免除や輸出入手続きの簡素化、査証の発行など様々な優遇措置を受けることができますが、PEZA企業として認定されるためには厳格な審査に通る必要があり、ZONEと呼ばれる経済特区内で企業を設置したからと言って自動的に認定されるということではありません。PEZA企業として認定されるためには政策優遇を受けられる業種であることや資本金の額などにも配慮が必要となります。業種や事業内容、自社にとって有利な優遇措置かどうかを見極めたうえで、申請を行う行政機関を選択し投資委員会(BOI)やフィリピン経済区庁(PEZA)などに申請を行います。
各優遇措置には対象が設定されており、業種を基準にした場合や、特定地区での事業に対する場合、企業の形態による違いなどがあります。優遇内容は、特別税と言われる国税、地方税が免除になる代わりに5%の所得税の賦課、法人税の免除、その他労務費の追加削除や特別ビザ発給など様々です。
労働力の確保
フィリピン政府の発表によると、2014年に人口が1億人を突破したと報じられています。2091年まで人口は増加を続ける予測があるほどで、さらなる成長が期待されています。
日本は対照的に2008年前後の1億2,800万人をピークに、人口の減少が止まりません。当然年齢分布も1950年前後生まれ、1975年前後生まれをピークに少子化が進み、大きな問題になっています。フィリピンでの現在の平均年齢が24歳なのに対し、日本の平均年齢は46歳前後と推定されています。人口比率では、10歳から14歳、0歳から4歳の比率が最も高く、人口分布から見ても魅力ある国になっていくでしょう。このように、高齢化が進んでいないフィリピンは、中長期的に非常に魅力的な国になっていくと予想されています。