SSSとは一般的に病気や怪我で働けなくなった時の保障、出産一時金、障害者一時金・年金、葬儀費用、失業給付の生活保障を受けることのできる社会保障制度として認知されていますが、それ以外の様々な生活上の支出の必要に迫られた場合には、加入者はSSSに借入を申し込むことができます。

借り入れはSSS加入者自身の自由意思により行うことができますが、借り入れた加入者が被雇用者の場合は、雇用主が加入者の給与から毎月控除してSSSに支払う義務が生じます。そのためSSS借入金制度を利用していない雇用主や会社であったとしても借入金制度に関する最低限の知識を得ておくことが求められます。

SSSの借入金制度には主に、Salary Loan(サラリーローン)とCalamity Assistance Package(災害支援パッケージ)という2つの種類があります。条件が整えば2つの借入制度を同時に利用することも可能ですが、返済も毎月それぞれ発生することに加えて、雇用主が納付の義務を負うこととなりますので、毎月の給与計算において控除することと、利息を含めた借入残高の把握も必要となります。Calarmity Assistance Packageは2021年12月のオデットという台風被害に遭われた方向けの臨時貸付或いは支援プログラムとなります。

 

一般的なSSSの借入制度はSalary Loan(サラリーローン)と呼ばれていますが、被雇用者だけでなく、自営業者や任意加入者も条件を満たす限りにおいて、利用可能な公的借入制度です。

 

借入要件は以下の通りです。

①1か月分の給与借入

・累計36か月間以上社会保険の加入者であり、直近12か月の間に6か月間は社会保険に加入し保険料を納付していること。

②2か月分の給与借入

・累計72か月間以上社会保険の加入者であり、直近12か月の間に6か月間は社会保険に加入し保険料を納付していること。

 

  その他の要件

・雇用されている場合、雇用者が給与から毎月返済額を徴収し、納付義務を負うことに同意すること。

・借入返済期間中はSSSから退職手当、障碍者手当、死亡給付金等が支払われないことに同意すること。

・過去にSSSへの詐欺行為等で、資格喪失したことがないこと。

 

返済期限

返済期限は借入時期から2年に返済することとされています。

 

利息

借入残高に対して年利10%の利息が加算徴収されます。

 

遅延損害金

毎月の返済指定日に支払うことができなかった場合は借入残高に対して月利1%の利息が加算徴収されます。

 

従業員がSSS借入を行った場合は雇用者が給与から控除し納付義務が発生いたしますので、現在の各従業員の借入残高と毎月の返済金額の把握に務めてください。返済が遅れると遅延損害金の支払い義務者は雇用者側の負担となります。

SSS借入制度に関するお問い合わせは、弊社お問い合わせフォームからご連絡ください。