数字の向こうに、人の夢がある。――フィリピンで見つけた「会計の本質」
私が初めてフィリピンを訪れたのは、アメリカの会計事務所に勤めていた2013年の頃のことでした。
クライアントの出張に同行し、空港に降り立ったのは9月の雨季。
数日前からの大雨で道路は冠水し、たった5キロの滞在先のホテルまでの道のりを進むのに2時間もかかってしまいました。おかげでお客様はホテルに到着するなりすっかり疲れ果てて不機嫌そのもので、私もその日は大雨の影響で午後から数時間、停電していたためインターネットも使えず、ただただ寝るしかできなかったことを覚えています。
「なんて非効率な国だろう」
それが最初の印象でした。
日本やアメリカの整ったインフラを知る私には、文明的に遅れた国のように映ったのです。
けれど、不思議なことに、フィリピンの人々はその不便さを当たり前のように受け入れ、誰一人として、その不便さを嘆いたり怒ったりしていないということでした。
むしろ、当たり前のように受け入れ、明るく笑い合いながら日常を過ごしているのです。
それが、私とフィリピンの“最初の出会い”でした。
その光景を見たとき、私は“この国の人たちには、生活の不便さや困難を日常の一部として受け入れてしまえる特別な強さがある”と感じました。
滞在中、フィリピンの町中を歩くと、小さな個人商店や家族経営の食堂や小売店などが軒を連ねていました。
日本のように大規模なチェーン店は少なく、様々な商品を並べながら、家族と共に小さくても楽しそうに誇りを持って働く姿がありました。
「この国はまだ発展途上かもしれない。
けれど、人の温かさと可能性は、どこの国にも負けていない。」
そう思うようになった私は、その後も何度もフィリピンを訪れました。
現地の人々と話を重ねるうちに、彼らの“夢”にも触れるようになりました。
時には貧民街の子供たちと話すことがあり、決して楽ではない生活を送りながらも、
「家族の病気を治すために医者になりたい」
「この国の教育を変えるために教師になりたい」
「社会の弱者を守るために弁護士になりたい」
と語る彼らの目は、どこまでもまっすぐでした。
彼らの夢の中心には、自分の幸せではなく、家族や周囲の人々を幸せにしたいという想いがありました。
その献身的な価値観に触れたとき、私は、
「この国の発展の原動力は“人”にある」
と確信しました。
会計士として長年アメリカや日本の企業と関わる中で、私は常に「効率」と「正確さ」を重視してきました。
しかし、フィリピンで出会った人々は、数字では測れない“人の力”を教えてくれました。
そこにこそ、私がこの国でビジネスをする意味があると感じたのです。
「フィリピンという成長する国で、日本企業が安心して事業を展開できるように支えたい」
「そして、そのプロセスを通じて、フィリピン人が働きがいを持ち、成長できる環境をつくりたい」
そんな想いから、私はこの地で事務所を設立しました。
私たちの仕事は、単に帳簿をつけ、税務申告を代行することではありません。
フィリピンに進出される日系企業が、現地の文化と制度の違いを理解しながら、
「安心して挑戦できる環境」を整えることが使命です。
私のもとを訪れるお客様の中には、初めて海外に進出する経営者の方も多くいらっしゃいます。
制度の複雑さや言葉の壁に戸惑い、「この国で本当にやっていけるのだろうか」と不安を口にされます。
そんな時、私はいつもこうお伝えしています。
「フィリピンの人たちは、とても温かく、誠実です。
彼らと共に成長できるビジネスなら、必ず良い結果が生まれます。」
あるお客様は、その言葉をきっかけに事業を立ち上げました。
今では現地スタッフに囲まれ、笑顔の絶えないオフィスを経営されています。
後日、その方は私にこう言ってくださいました。
「先生の話を聞いて、数字の先に“人の希望”があると気づきました。
あの時、背中を押してもらえなかったら、この挑戦はなかったと思います。」
会計とは、単なる数字の積み重ねではありません。
それは、人と人をつなぎ、信頼を築くための言語だと私は考えています。
フィリピンという成長の途上にある国で、
日本企業の挑戦と、フィリピン人の夢を、数字の力でつなぐこと。
それが、私たちの想いです。
数字の先にある、人の想いを見つめて。
今日もフィリピンの地で、私たちは企業と日本そしてこの国の人々の未来を支えています。
フィリピンという国の可能性と日本との強い協力関係が構築できることを信じ、ここで生きる人々とこれからの日本の将来を共に歩むこと。
それこそが、私たちがこの国で会計という仕事を続ける理由です。
——あなたのフィリピンビジネスに、確かな羅針盤と温かい伴走を。
それが、私たちAJC事務所の使命です。
弊社がクライアントにサービスを提供するフィリピンは、人材、経済、政治、様々な側面において将来的には日本と多くの面で利害関係を共有する東南アジアで最も重要なパートナーになる国の一つになるでしょう。豊富な人材や鉱物資源を有するだけでなく、太平洋と南シナ海に面したこの国は地政学的にも重要な位置にあり東南アジアや太平洋の安定的発展に寄与する重要な国として、日本と良好な関係を維持すべき国の一つだと考えられております。また平均年齢24歳という若いこの国はこれからの発展が大いに期待されており、豊富な人材と安い人件費を進出メリットと考える労働集約型企業だけでなく、フィリピンを市場として考える方からの投資案件も増えてまいりました。
フィリピン進出や法人設立支援、会計・税務、法律の顧問をお探しの方は、是非一度、当社まで電話又は問合せフォームにてご連絡ください。当社には経験豊富な会計士や人弁護士が常駐しており、お客様からのご質問には迅速に対応しております。フィリピンでお会いできることを心よりお待ち申し上げております。
役員紹介
▼橋本 考史 (USCPA)
米国公認会計士(USCPA : ワシントン州)
2000年 龍谷大学経営学部会計学科卒業
日米の会計事務所で約10年間勤務した後、クライアントからのフィリピン進出支援のご依頼をきっかけに本格的な支援に乗り出すこととなる。
専門分野:会計(日本、フィリピン、米国)、フィリピン税務(個人所得税、法人所得税、付加価値税等)、国際税務、M&A、会社法、商法、査証
▼ROMEO I,SESE (弁護士)
弁護士
約30年のキャリアを有する弁護士
元最高裁判所裁判官。退官後は大手財閥のDMCIを筆頭に、多くのクライアントを有するマニラ有数の弁護士
専門分野:民法、商法、会社法、税法、刑事訴訟、民事訴訟、査証
日本人からの依頼も多数あり。
▼MARIANNE T, PANGAN (CPA)
公認会計士 (CPA)
1993年生まれ
STI College Angeles 卒業
専門分野:会計、税務(所得税、法人税、付加価値税、相続税、贈与税、関税等)、会社法、労働法
▼KRYSTYN DOMINIQUE BALDE (CPA, CMA)
公認会計士(CPA)、米国公認管理会計士(USCMA)
1995年生まれ
University of Santo Tomas 卒業、2023年 CPA試験合格
専門分野:管理会計、財務会計、税務(個人所得税、法人所得税、付加価値税、国際税制、不動産取引税等)
▼峠崎 洋介(顧問)
顧問
日本の大学を卒業後、フィリピンに渡って来て以来の居住歴40年以上のロングキャリアで今まで多くの日本人と日系企業を支援してきている。日本政府観光局の顧問であり、また日本大使館からの日本人保護などの緊急要請の対応も行っており領事からの信頼も厚い。
法人設立、コーディネートやアテンド、査証、法律問題、金銭トラブル、刑事事件など持ち込まれる様々問題に対応します。
また、上記以外にも日比両国間での犯罪歴やフィリピン人や日本人に対する暴力や詐欺、脅迫的行為、当社の信用を毀損する行為があった場合、状況を総合的に判断し契約を解除することがございます。